親という名の飼育員

子育て在宅ワーカーの奮闘の日々を綴ります

【子育て】1年以上にも及ぶしまじろうからの誘惑に、屈しなかった話

 

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今月もこの日がやってきた。

幼稚園から帰ってきた息子の目はキラキラしている。

「ねえ!今日こそお手紙は来た? ねえ!早くポストを見てみようよ!」

郵便ポストの細いフタを押し上げ、目を細めて中を覗く息子。

私がカギを回してやると、すぐに扉を開ける。

「やったぁ! しまじろうからのお手紙だぁ!」

 

彼が毎月こんなにも楽しみにしている届け物とはずばり、こどもちゃれんじからの無料案内である。

こどもちゃれんじとは、ベネッセが提供する0~6歳向けの幼児教育教材。

子どもの成長に合わせた玩具が毎月自宅に届くサービスだ。

 

我が家も資料請求か何かで一度申し込みをしたことで、毎月この案内がポストに届くようになった。

 

ところでみなさんはご存知だろうか。

こどもちゃれんじの無料案内が、無料なくせにとてつもなく力が入っているという事を。

 

その中身は教材の案内だけではない。

本契約した人だけに届く玩具の「体験版」として、紙製で再現したものが入っているのだ。

シールを貼ったり組み立てて立体を作ったり、簡単なものとはいえ工作ができるようになっている。

それに加えて体験版のDVDも。

 

子どもにとってはそれはそれは十分楽しめる内容で、我が家の息子にとっても例外ではない。

彼は毎月その封筒が届くと「今月もしまじろうが僕にお手紙を送ってくれた!」と飛び跳ねて喜び、満面の笑みでその紙の工作やDVDに熱中するのだ。

 

「かわいそう!そんなに欲しがっているなら本物を買ってあげればいいのに!」と言われそうなので、ここで前置きしておきたい。

 

我が家は別にひもじいわけではない。

お誕生日などの特別な日には息子が欲しがる玩具を買ってあげているし、祖父母からもたまに与えてもらっている。

欲しがる物を買ってあげたくないわけでは決してない。

 

ただ、スペースがないのだ。(完全に親の都合)

そして、気分屋の息子に次々新しい物を与えることに抵抗があるのだ。そういう年頃なのかもしれないが、昨日は大好きだったおもちゃに今日は見向きもしなくなっていることがよくある。

どうしてもこれが欲しいと言うので買ってあげた2000円以上もする伊勢海老のフィギュアが、翌日にはもうその存在すら忘れられカウンターの上にむなしく置かれている姿を見て、懲りた。

そんな理由で、こどもちゃれんじを契約する気はなかった。

 

ただ毎月毎月「しまじろうからの手紙」を楽しみにしている息子に「これは無料体験版だよ」とは言えるはずもなく、喜ぶ姿を見ながらなんだか少し申し訳なく思っていた。

 

そしてある時、とんでもないピンチがやってきた。

お友達のお家に遊びに行った時のこと。

なんとそのお友達はこどもちゃれんじ購読者だったのだ。

ちょうど先月遊んだ紙のお店屋さんごっこセットが・・・その「本物」がそこにはあった。

息子は目を丸くして驚く。

「これ、僕のお家にあるやつとちょっと違うね・・・」

レジは立体、引き出しが開く。スキャナーを商品に当てるとピッと可愛らしい音が鳴るのだ。

息子は夢中で遊んだ。お友達そっちのけで遊んだ。

そして帰り道私にこう言った。

「ママ、○○くんちのお店屋さんごっこセットは、僕のお家のと違ってなんだかすごかったね。」

 

もう一度言っておきたい。

我が家は別にひもじいわけではない。

ただ事情があって買わないだけだ。

 

そしてその日から、息子はそのしまじろうからのお手紙に「本物」があることを知ってしまった。

無料体験版への純粋な感動も、どこか捻くれてしまったようだ。

「ねえ、これ本物だったらどうなるの?もしかしてこのボタンを押すと音が鳴るのかな?すごい!ワクワクするな~!」

息子の上目遣いな視線が痛い。

 

そして無料案内が届き出してからかれこれ1年以上。

我が家まだ、しまじろうからの甘い誘惑には屈していない。

 

ちょうど昨日もポストに封筒が届いた。

「やったあ!今月もしまじろうが僕にお手紙送ってくれた!無料の!」

息子の言葉が刺さる。

 

何が言いたいのかというと・・・

ベネッセさん、無料なのに、いつもこんなに楽しませてもらってありがとうございます!

そして、息子が本物じゃないと満足できなくなったら申し込みますね!

ということだ。